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中級arXiv

全身の器用さ:腕と胴体で物を抱えて持ち替えるヒューマノイド

Conor Mc Gartoll, An Dang, Pranay Thangeda, Arjun Gupta, Carolina Higuera, Nima Fazeli, Mustafa Mukadam, Manikantan NambiAmazon, University of California San Diego, University of Michigan
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アマゾンと米大学の研究者によるこのプレプリントは、ユニツリーのG1ヒューマノイドに、人が箱を脇に抱えるように腕と胴体で大きな物を支えて動かす動作を学ばせた。実機では全身タスクの90%を達成し、単純なモーションリターゲティングの18%、エヌビディアの全身制御器SONICの4%を大きく上回った。

研究課題

ヒューマノイドは体のどの部位でも接触面として使って物をつかみ、胴体を回り込んで腕から腕へ受け渡すような持ち替えを、シミュレーションで学んだまま追加学習なしで実機に移せるか。

問題

ヒューマノイドのマニピュレーション研究は手だけを接触点とみなすことが多い。箱やボールのような大きな物は胸に当てたり脇に挟んだりすると扱いやすいが、腕が2本しかないロボットは片腕を離した瞬間、もう一方の腕と胴体で物を押さえ続けなければならない。遠隔操作者は物が滑っているか感じ取れないため、遠隔操作は事実上、手でつかんで置く作業にとどまってきた。

従来の手法

従来の全身マニピュレーションは、胴体の前で物を抱え続ける姿勢を保つか、触覚スキンに頼るか、平面や箱形を前提としたモデルベースの接触計画を用いていた。SONICのような汎用全身モーション追従器やGMRのようなリターゲティング手法は人の動きをロボットに写すだけで、持ち替えの間に物を支え続けるという考え方を持たない。

新しい手法

研究チームはロボットハンドの「指の持ち替え(フィンガーゲイティング)」の考え方をヒューマノイド全体に広げた。まず80〜240mmの基本形状15種について腕と胴体リンクの接触を最適化し、重力4倍と全方向の外乱で選別して、シミュレーション上で安定した全身把持251万件を生成した。物体ごとの強化学習エキスパート(WBD-EX)が左腕、両腕、右腕の把持モードと体の各部位の間で物を動かすことを学び、持ち替えは必ず両腕把持を経由する。エキスパートの軌跡27万4000本(8億7300万フレーム)を拡散モデルベースの単一制御器に蒸留し、固有受容感覚と5次元の形状記述子だけで操作者の大まかな指令を安定した接触動作に補正する。

結果

シミュレーションで腕の指令14本すべてにノイズを加えた条件では、平均故障時間が学習物体で70%、未学習の球と立方体でそれぞれ158%、71%延びた。Xsensのモーションキャプチャスーツで操作する実機G1では、3号バスケットボールと15cmの段ボール箱を使った肩までの往復、脇挟みの往復、棚から取って脇に挟み、歩いて運び、置く一連のタスクで、50回中45回(90%)を成功させた。GMRは9回(18%)、SONICは2回(4%)だった。箱の脇挟み往復は10回すべて成功し、GMRは1回、SONICは0回。棚タスク全体では10回中7回で箱を置き終えた。

限界

プレプリントである。実機実験はすべて8時間以上練習した熟練操作者1人が行っており、自律動作ではなく人の操作に制御器が上乗せする効果を示したものだ。物体は24cm以下の軽い基本形状で、脚による接触は除外し、下半身制御器なしで学習した。一部の試行では物を落としており、物体寸法の事前計測も必要になる。新しい物体の種類ごとにエキスパートが要る点も課題だ。

産業への影響

アマゾンの物流網やアジリティ、フィギュア、ボストン・ダイナミクスの物流向けヒューマノイドは、箱やコンテナの運搬に大半の時間を使う。アマゾンの研究者が著者に入っていることは、より強い手ではなく胴体を荷重経路として使う方向への関心を示す。遠隔操作で教示データを集める日本の開発勢にとっても、持ち替え中に物を支え続ける制御層は有効な教示データの歩留まりを上げうる。こうした全身把持の層は1〜2年以内に、まず遠隔操作の支援機能としてヒューマノイドのソフトウェアに入るとみる。