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上級arXiv

被験者固有の筋骨格シミュレーションで下肢外骨格の関節支援を体系的に比較、股関節+足首支援が有望と報告

Neethan Ratnakumar, Mariya Tohfafarosha, Xianlian Zhou
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本論文はプレプリントである。被験者固有の筋骨格モデル6体を用いた予測シミュレーションで、股関節・膝・足首の単独および複合支援を25 Nmと50 Nmのトルク上限で比較した。50 Nmでは3関節支援が最大の平均COT削減48.50±4.55%を示し、2関節では股関節+足首支援が44.60±7.08%と大部分の効果を回復した。この結果はアクチュエータ数を抑えた支援設計の指針となる。

研究課題

被験者固有の筋骨格モデルを用いた予測シミュレーションにおいて、下肢の単関節および複合関節支援が歩行の代謝コストと生体力学にどのような影響を与えるか。

問題

下肢外骨格の支援戦略設計では、装着者の体格・筋力・BMIなどの個人差が大きく、最適な支援パラメータを実験的に探索するには多大な時間とコストがかかる。既存の筋骨格シミュレーションも個人適応の再現精度が不十分であり、個別化支援の設計が難しい。

従来の手法

従来は専門家の経験則によるトルク調整や、生理指標をフィードバックするヒューマン・イン・ザ・ループ最適化が行われてきた。筋骨格シミュレーションでは規定軌道に基づくCMCや、単一シューティング法による予測最適制御が使われたが、固定された運動学では支援への動的な適応を予測できず、計算コストも高かった。

新しい手法

本研究はOpenSim Mocoの直接コロケーションを用い、6体の被験者スケール筋骨格モデル(BMIに基づく筋力スケーリングを適用)で、股関節・膝・足首の単独および全組み合わせ7条件を25 Nmと50 Nmの理想トルクアクチュエータで評価した。コスト関数は代謝、筋努力、関節加速度、COM加速度、参照軌道追従で構成し、COTや関節運動学、筋活性、支援トルク、関節パワーを解析した。

結果

50 Nm時、3関節支援(H+K+A)が平均COT削減48.50±4.55%(範囲42.22~54.65%)で最大。単関節では股関節支援が31.77±5.21%、膝支援19.17%、足首支援17.02%。2関節では股関節+足首支援(H+A)が44.60±7.08%で、3関節の効果の大部分を回復した。25 Nm時はH+K+Aが41.20%。関節パワー解析では、50 Nm時、股関節MPPは0.375 W/kg、膝0.243 W/kg、足首0.220 W/kgで、膝支援はトルク上限を25 Nmから50 Nmに上げてもMPPが0.163から0.168 W/kgとほとんど変化せず、プレスイング期に正のパワーを供給する非典型的な戦略を示した。シミュレーションのみによる評価である。

限界

著者らは、モデルが片脚9筋のみで腱を剛体とし、足部接地を簡略化しているため代謝削減の絶対値は過大評価されると述べている。また参照軌道追従項が歩行パターンの変化を制約し、予測結果はモデル依存であり、実験的検証がない。シミュレーションのみで実機評価はなく、被験者数は6体と少ない。査読済み論文ではないプレプリントである。

産業への影響

下肢外骨格を開発する企業にとって、股関節+足首の2関節支援がアクチュエータ数を抑えつつ高い代謝削減を得る設計候補となり得る。リハビリテーション用や産業用パワードスーツの関節構成検討に活用できる。ただし、実機での効果は1~3年以内に実験的検証を経て確認される必要がある。より精密な筋骨格モデルと個人差の再現、装着者へのトルク伝達系のモデル化が実用化の条件となる。

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