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上級arXiv

Value as Memory:汎用ロボット方策のオンライン価値誘導型ポストトレーニング

Wenye Yu, Yijin Chen, Kaiyi Xiong, Wenbo Han, Wendi Chen, Yang Jin, Han Xue, Jun Lv, Cewu Lu, Chuan WenShanghai Jiao Tong University, Shanghai Innovation Institute, Noematrix
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上海交通大学チームのこのプレプリントは、汎用ロボット方策に自らが直近に推定した作業進捗を入力として与え、稼働しながら再学習させることで現場学習を続けさせる。洗濯物たたみを含む実機の長時間タスク3種で、平均成功率は進捗メモリを外した同じシステムより29.4ポイント、従来のバッチ再学習より32.8ポイント高かった。

研究課題

方策自身の進捗推定を学習用スコアとしてだけでなく実行時の入力に使えば、見た目は同じでも必要な動作が違う状態を見分けられるか。実機でのオンライン強化学習は大型VLA方策のポストトレーニングを速く、データ効率よくできるか。

問題

汎用ロボット方策は導入後、自らの試行と人による修正のデータで再調整される。障害は二つある。1枚のカメラ画像では作業の進み具合が分かりにくく、半分たたんだシャツとほぼたたみ終えたシャツは似て見えても次の動作は異なる。また実環境のポストトレーニングは収集、停止、再学習、再配備を繰り返すバッチ方式が多く、新たな失敗のフィードバックが遅れ、1回の改善コストも高い。

従来の手法

Physical IntelligenceのRECAP(pi0.6*に使われた手法)は、デモ、実行記録、人の介入から価値関数を学び、動作の良し悪しをラベル付けして優位条件付き学習に使う。価値推定は学習データの加工にとどまり、実行時の方策には渡されず、価値モデルの更新もオフライン学習の合間に限られる。

新しい手法

VaM(Value as Memory)は「価値キャッシュ」を加える。別の価値モデルが出した直近の進捗予測を画像や関節状態と一緒に行動モデルへ入力し、進捗が上がっているか、止まっているか、下がっているかを方策に知らせる。学習はデモによる初期化、オフライン強化学習のウォームアップ、人の修正を伴うオンラインDAgger、成功信号だけを報酬にする自律学習の4段階で、データ収集と価値学習、方策学習を並行して回す。行動モデルはPhysical Intelligenceが公開したpi0.5(20億パラメータのPaliGemma基盤と3億パラメータの行動Transformer)を初期値とする。

結果

実機1台での箱の組み立て、洗濯物たたみ、磁石式おもちゃバスの組み立てで、VaMの最終3チェックポイントの成功率は96.7%、88.9%、76.7%だった。価値キャッシュなしの同じパイプラインは81.7%、48.9%、43.3%、RECAPは71.7%、64.4%、43.3%。予算をそろえたオフライン強化学習と比べ、オンライン学習は平均32.8ポイント高く、勾配1ステップ当たりの実時間は57.8%短縮した。箱の組み立てでは同じ勾配予算で方策更新16回(オフラインは2回)。推論時に古い価値モデルへ差し替えると3タスクとも成功率が下がった。

限界

著者は、実際の進捗を正確に追う価値モデルが前提のためオフラインのウォームアップが欠かせないこと、実験がロボット1台に限られ複数台での効果は未検証であることを認めている。加えて、タスクが3種で評価回数も少なくばらつきが大きい(キャッシュなしの洗濯物たたみは±30ポイント)、自律段階の前は人の介入が必要、コードは公開予定にとどまる点も留意したい。

産業への影響

導入データによるポストトレーニングは、ロボット基盤モデル各社が優位を積み上げる部分とみている領域だ。VaMはPhysical Intelligenceの公開重みを土台に、RECAPより反復の速い代替案を示し、中国企業Noematrixの参加は商用化の道筋も示す。ファナックや安川電機の周辺でVLAを工場や物流に持ち込もうとするインテグレーターにとって、進捗推定を制御に戻す設計は実務上の示唆となる。複数台版は12~18カ月以内に出てくる可能性が高い。