製品イスラエル

Arbe、砂ぼこりの中で溝を検知する無人地上車両向け4Dレーダー「Gryphon」

配信 1分で読めます
元記事
製品Arbe Robotics

イスラエルのArbe Roboticsは19日、無人地上車両向け4DイメージングレーダーGryphonを発表した。送信48チャンネルと受信48チャンネルで、砂ぼこりや暗闇の中でも溝や岩、がれきを検出する設計だ。顧客、価格、出荷時期は明らかにしていない。

ナスダックとテルアビブ証券取引所に上場するイスラエルのレーダーチップとシステムの企業Arbe Roboticsは19日、プレスリリースで、砂ぼこりや荒れ地、未舗装路を走る無人地上車両(UGV)向けの4Dイメージングレーダー「Gryphon」を発表した。同社は、乗用車中心だった事業領域をUGV分野に広げる製品だと説明した。[企業プロフィール](/companies/arbe-robotics)

リリースは顧客、価格、出荷時期、数量を明らかにしていない。示されたのはハードウエア構成と用途だが、それだけでオフロードロボットの認識技術の方向が読み取れる。

数字で見るGryphon

Gryphonは、Arbeが自動車メーカーに供給する車載グレードの構成をそのまま使い、送信48チャンネルと受信48チャンネルで距離、方位、仰角、速度を含む高密度の4D点群を生成する。一般的なMIMOの計算では48×48で2304の仮想チャンネルとなり、従来の車載レーダーが一つの反射にまとめてしまう小さな物体を見分けられる。可動部のないソリッドステート構造で、サイズ、重量、電力、コストを抑える設計とし、長いデータケーブルにも対応するため取り付け位置の自由度が高いと同社は説明した。小型UGVから大型の産業用車両まで、運転支援や遠隔操作から先導車追従の隊列走行、完全自律まで対応するという。

なぜレーダーか、なぜ溝なのか

同社の主張は、オフロードでは砂ぼこり、煙、霧、雨、雪、暗闇でカメラやLiDARの性能が日常的に落ちるが、レーダーは機能し続けるというものだ。Gryphonは岩、がれき、障壁、草木に加え、溝や穴、路面の流失といった車両が入ってはならない「負の障害物」も検出するよう設計した。同じデータで走行可能領域の地図化、追跡、オドメトリ、自己位置推定もでき、衛星測位が使えない環境での航法を支えると同社はしている。軍事用途でのGNSS妨害を意識した説明だ。

MEKAWIREデータベースのオフロード自律関連企業(開示済み調達)
  • Arbe Robotics(イスラエル)
    領域
    4Dイメージングレーダー、UGV向けGryphon
    開示済み調達額
    ナスダックとテルアビブに上場
    直近ラウンド
    該当なし
  • Overland AI(米国)
    領域
    地上車両のオフロード自律走行
    開示済み調達額
    3回で1億4200万ドル
    直近ラウンド
    1億ドル、2026年2月3日
  • Bedrock Robotics(米国)
    領域
    建設機械の自律化
    開示済み調達額
    2回で3億5000万ドル
    直近ラウンド
    シリーズB 2億7000万ドル、2026年2月4日

2026年10月19日時点のMEKAWIREデータベースの開示ラウンド合計。推計値ではない。

2026年10月19日時点

MEKAWIRE分析

Arbeは既存の車載レーダーを防衛と産業用ロボットのセンサーとして売り直している。悪条件での信頼性に先にお金を払うのは乗用車市場よりこの顧客層だという判断とみられる。

MEKAWIREのデータベースでは、オフロード自律への投資はセンサーよりもソフトウエアと統合システムに向かっている。Overland AIは開示済みの3回で1億4200万ドル、Bedrock Roboticsは2回で3億5000万ドルを調達した。建機や農機の自動化を進める日本のメーカーにとっても、粉じん下で溝を検知できるレーダーは遠隔操作や自動運転の安全機能を補う選択肢になる。反論として、UGVの数量は小さく、SOS LABなどLiDAR各社がソリッドステート品の価格を下げ続けている点がある([関連記事](/news/sos-lab-ml-i-poe-solid-state-3d-lidar-smart-parking-its-20261015))。レーダーは補助センサーにとどまる可能性もある。注目点は、UGVインテグレーターや防衛案件の顧客名の開示、量産時期、次の四半期決算で自動車以外の売上高を区分して示すかどうかだ。

このニュースは好材料か、悪材料か

 

要点
製品
無人地上車両向け4DイメージングレーダーGryphon
発表
2026年10月19日、プレスリリース(PR Newswire)
チャンネル
送信48、受信48(MIMO計算で仮想2304)
検出対象
岩、がれき、障壁、草木、溝、穴、路面流失
機能
走行可能領域の地図化、追跡、オドメトリ、GNSSなしの自己位置推定
適用範囲
小型UGVから大型産業車両、遠隔操作から完全自律
非開示
顧客、価格、出荷時期
出典