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韓国ロボット市場2026解説:年3万台の導入、世界最高のロボット密度、政府主導で作る国へ

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分析Rainbow Robotics

国際ロボット連盟(IFR)によると、韓国は2025年に産業用ロボットを3万台導入し前年比1%減、2019年以降は年3万1,000台前後で横ばいが続くが世界4位の市場を保った。ロボット密度が世界最高の韓国では、成長の鍵は2030年までにAIロボット20万台を普及させ、買う国から作る国へ転じる政府計画に移っている。

国際ロボット連盟(IFR)は9月24日発表の「ワールドロボティクス2026」で、韓国が2025年に産業用ロボットを3万台導入したと明らかにした。前年比1%減で、2019年以降は年3万1,000台前後で横ばいが続く。韓国は中国、米国、日本に次ぐ世界4位を維持した。中国の導入台数は韓国の約11.8倍だ。

平らな曲線は縮む市場ではなく成熟した市場を示す。より重要なのは、韓国が他国向けにロボットを作って成長できるかどうかで、その答えは2026年6月から10月にかけての政府決定にある。MEKAWIREは一次発表に基づき追跡してきた。

横ばいでも弱い市場ではない

韓国の産業通商部は6月29日、IFRのデータを引用しロボット密度を従業員1万人当たり1,220台とした。シンガポールは770台、中国は470台で、韓国は中国の約2.6倍になる。これほど飽和した工場は更新と新ラインでロボットを買う。IFRは次の伸びを自動車産業に結びつけ、新規投資が2027年と2028年に効果を生み、韓国の需要は2027年に従来の傾向を破って増える可能性があるとした。

2025年の産業用ロボット導入上位6市場
  • 中国
    2025年導入台数
    35万4,000台
    前年比
    +20%
    世界順位
    1
  • 米国
    2025年導入台数
    約3万8,500台
    前年比
    +12%
    世界順位
    2
  • 日本
    2025年導入台数
    3万6,219台
    前年比
    -19%
    世界順位
    3
  • 韓国
    2025年導入台数
    3万台
    前年比
    -1%
    世界順位
    4
  • ドイツ
    2025年導入台数
    2万5,000台未満
    前年比
    -8%
    世界順位
    5
  • インド
    2025年導入台数
    約1万500台
    前年比
    +15%
    世界順位
    6

出所:IFRワールドロボティクス2026発表(2026年9月24日)。中国/韓国 = 35万4,000 / 3万 = 11.8倍。

2026年9月24日時点

日本は19%減の3万6,219台で、3位日本と4位韓国の差は約6,200台に縮まった。両国とも成熟市場で、自動車投資の動向が導入台数を左右する点も共通する。

政府が需要を自ら作る

政府資料は、韓国が世界のロボット生産の約1%、2025年のヒューマノイド生産でも1%にとどまり、中国が86%を占めると認める。対応は三層だ。

第一に目標。政府は6月29日、フィジカルAIを三大メガプロジェクトの一つに据え、2030年にAIロボットで世界3強、2028年までに産業用ヒューマノイド10種の商用化を掲げた。9月30日の国家先端戦略産業委員会は、2030年までにAIロボット20万台を普及させる目標を決めた。民間18万5,000台、2027年からの公共調達約1万5,000台で、2027年だけで政府が1,700台以上を購入し、中小製造業には年1,000台以上に50%を補助する。

第二に資金。2027年予算案はセンサー、アクチュエーター、電池などヒューマノイド中核部品の予算を116億ウォンから620億ウォンへ5.3倍に増やした。政府系の国民成長ファンドは8月、ロボットハンドの元益ロボティクスが実施した3,500億ウォンの増資に1,500億ウォンを投じた。

第三に許可。10月13日、規制特例の委員会はロブロスが半導体、自動車、造船、物流の4現場で二足歩行ヒューマノイド20台を作業者の横で使う実証を、雇用労働部のリスク評価を条件に承認した。

韓国政府が決めたロボットの目標と予算
  • 2030年AIロボット普及
    数値
    20万台(民間18万5,000台、公共約1万5,000台)
    決定時期
    2026年9月30日
  • 2027年政府購入
    数値
    1,700台以上
    決定時期
    2026年9月30日
  • 中小製造業への補助
    数値
    年1,000台以上に50%
    決定時期
    2026年9月30日
  • 2030年ヒューマノイド生産シェア
    数値
    世界の20%(現在1%)
    決定時期
    2026年9月30日
  • 2027年ヒューマノイド中核部品予算
    数値
    620億ウォン(2026年116億ウォン)
    決定時期
    2026年9月10日予算案
  • 大邱慶北ロボット特化団地
    数値
    2032年までに5兆3,839億ウォン投資、先導企業16社
    決定時期
    2026年9月30日

出所:韓国政府発表(korea.kr)、産業通商部と企画財政部の予算資料。目標と予算案であり実績ではない。部品予算の増加 = 620 / 116 = 5.3倍。

2026年10月17日時点

20万台の目標は2026〜2030年に年平均約4万台で、2025年の産業用ロボット導入の約1.3倍に当たる。ただし政府のAIロボットはIFRの産業用ロボットより範囲が広い。

薄いのは民間資本

MEKAWIREの資金調達データでは、2026年の世界104件のうち韓国は10件だが、ドル建てで記録されたのは7月のホリデーロボティクスによる1億500万ドルのシリーズA一件で、世界の開示額117億9,000万ドルの0.9%にすぎない。韓国の資金は上場企業の開示を通じウォン建てで入る。ツイニーの上場前第三者割当約198億ウォン、インテリビックスの190億〜225億ウォンのKOSDAQ上場などだ。MEKAWIREが追う韓国ロボット企業40社のうち18社が上場している。

MEKAWIREが追跡した2026年の韓国ロボット資金調達
  • ホリデーロボティクス
    時期
    7月13日
    方式
    シリーズA
    開示額
    1億500万ドル
  • 元益ロボティクス
    時期
    8月28日
    方式
    転換優先株、国民成長ファンド1,500億ウォン
    開示額
    3,500億ウォン
  • ツイニー
    時期
    8月11日〜9月7日
    方式
    上場前第三者割当
    開示額
    約198億ウォン
  • インテリビックス
    時期
    10月14日届出
    方式
    KOSDAQ上場
    開示額
    190億〜225億ウォン(仮条件)
  • ヒューロティクス
    時期
    10月15日
    方式
    シリーズA
    開示額
    非開示

MEKAWIREデータベース、2026年10月17日時点、開示値のみ。2026年の世界104件のうち韓国は10件。

2026年10月17日時点

MEKAWIRE分析

韓国にあるのは需要の問題ではなく供給者の問題で、政府は調達と部品予算でベンチャー資本より速く国産ロボット産業を育てようとしている。

根拠は、導入台数が7年横ばいなのに密度は世界一、生産シェアは約1%、政策資金は部品と初回受注に向いている点だ。最も強い反論は、補助金頼みの需要が海外で戦えない供給者を生みかねないこと、そして2030年のヒューマノイド生産20%は、すでに量産出荷する中国勢から数量を奪う前提に立つことだ。

強気シナリオでは自動車投資が2027年から導入を押し上げ、公共発注がスタートアップに実績を与え、部品企業が海外のヒューマノイド企業に手やアクチュエーターを売る。弱気シナリオでは目標が遅れ、民間調達は小規模なウォン建てにとどまり、買い手は安い中国製を選び続ける。日本の減速機やサーボモーターのメーカーにとっては、韓国の部品国産化が中期的な競争要因になる。

注目点は10月21〜22日のインテリビックス公募申込、12月の国会での2027年予算議決、2027年の公共ロボット初入札、2027年半ばのIFR 2026年速報値だ。

このニュースは好材料か、悪材料か

 

要点
2025年の導入
産業用ロボット3万台、1%減、世界4位(IFR、2026年9月24日)
傾向
2019年以降年3万1,000台前後で横ばい、IFRは自動車の新規投資で2027年に増加の可能性
ロボット密度
従業員1万人当たり1,220台で世界最高、中国は470台(産業通商部、IFR引用)
生産シェア
世界のロボット生産の約1%、2025年ヒューマノイド生産1%(中国86%)
AIロボット目標
2030年20万台(民間18万5,000台、公共約1万5,000台)、2027年政府購入1,700台以上
2027年部品予算
ヒューマノイド用センサー、アクチュエーター、電池に620億ウォン、2026年の5.3倍
出典
MEKAWIRE インテリジェンス
  1. 01

    なぜ重要か

    韓国は完全自動化の後に何が起きるかを示す。密度は世界一でも導入は7年横ばいで、成長の論理はロボットを買う側から作る側へ移り、その論理を書いているのは政府だ。2027〜2028年の韓国ロボット売上は公共調達、補助金、政策ファンドに大きく依存する。

  2. 02

    競合分析

    財閥系(ボストンダイナミクスを持つ現代自動車グループ、レインボーロボティクス株35%の三星電子、LG電子、斗山)と、ヒューマノイド、ハンドとアクチュエーター、装着型、AMRのスタートアップ群で構成される。主な脅威は中国製ハードウェアだ。ファナックや安川電機など日本勢にとって韓国は更新需要と自動車向けの市場であり続けるが、公共調達での国産優先が強まる。

  3. 03

    企業価値の背景

    評価額は主に株式市場で決まる。MEKAWIRE試算で元益ロボティクスの増資後評価額は約1兆6,750億ウォン、インテリビックスの仮条件は2025年売上の1.8〜2.2倍で利益ベースの評価だ。ドル建て非上場ラウンドは少なく、開示ベンチャー投資額での国際比較は韓国を過小評価する。

  4. 04

    サプライチェーンへの影響

    政府はアクチュエーター、ロボットハンド、センサーを弱い部品に挙げた。産業用ロボットの減速機とサーボモーターは日本製の比重が高く、低価格ヒューマノイド部品は中国勢が握る。ハーモニックドライブシステムズやナブテスコにとって、韓国の部品国産化は中期的な脅威であり、当面は需要源でもある。

  5. 05

    今後の注目点

    10月21〜22日のインテリビックス公募と上場、12月の予算議決、2027年の初の公共入札、ロブロスの実証投入、2027年初めのLG電子二足歩行ヒューマノイド、2027年半ばのIFR速報値。

  6. 06

    アナリストの見方

    韓国のロボット市場は、飽和した利用基盤の上で政策が主導する供給者育成と読むべきだとみる。IFRと予算の数値への確信は高く、成果への確信は中程度だ。

  7. 07

    問うべき論点

    2027年の公共購入1,700台のうち国産は何台か。国民成長ファンドは元益ロボティクスに続き部品企業に投資するか。韓国のヒューマノイド企業は2028年までに年数百台を出荷できるか。