HD現代サイトソリューション、63億ウォンの国家課題に選定 無人ショベルを仮想空間で学習
HD現代グループ建設機械部門の中間持ち株会社HD現代サイトソリューションは25日、韓国産業通商部の「AI無人自律ショベル開発のための高精度シミュレーション型デジタルツイン基盤開発」国家課題の最終事業者に選ばれたと発表した。
総事業費は63億3000万ウォン、期間は2029年12月まで。油圧ショベルやホイールローダー、アーティキュレートダンプの設計から自律技術の学習、現場検証までを仮想環境で先に行う。
HD現代建設機械とHD現代インフラコアを傘下に持つHD現代サイトソリューションは25日、プレスリリースで、韓国産業通商部の「AI無人自律ショベル開発のための高精度シミュレーション型デジタルツイン基盤開発」国家課題の最終事業者に選ばれたと発表した。総事業費は63億3000万ウォンで、期間は2029年12月までとなる。
基盤は機械の実際の挙動をソフトウエア上に再現する。油圧や多体動力学、パワートレインといった機械側の動きと、バケットや足回りと土砂との物理的な相互作用を組み込み、油圧ショベル、ホイールローダー、アーティキュレートダンプの設計、無人自律技術の学習、現場検証までを仮想環境で先に済ませる計画だ。同社はシミュレーション用部品データベースの標準要求仕様づくりと、現場検証、運用シナリオ評価を担う。コンソーシアムにはシムジ社、韓国建設機械研究院、韓国生産技術研究院(KITECH)、韓国建設機械産業協会が加わる。
同社は、建機の無人化は機械や環境の制約、安全上の問題から多様な現場で素早く検証するのが難しかったと説明した。仮想空間で先に検証し、実機データと比較することでAIの高度化を速める。仮想技術担当の郭成圭常務は、無人自律技術の量産化に貢献したいと述べた。
なぜ重要か
工場の外で自律化の資金が最も集まっているのは土工機械だ。MEKAWIREのデータベースには、9月に報じられた、ソフトバンクが合弁を通じて自律型重機の米ASIに拠出する2億2500万ドル、ショベルを後付けで自律化するBuilt Roboticsが2回のラウンドで開示した9700万ドルが載っている。韓国の今回の課題は規模が小さく、大手グループ企業が担う。MEKAWIREが韓国のフィジカルAI事業の分析で確認した計4449億ウォンの多くが既存メーカーに流れた構図と重なる。今回の63億3000万ウォンはその約1.4%に当たる。
- HD現代サイトソリューションのコンソーシアム
- 韓国
- 63億3000万ウォン
- 政府研究開発課題(2029年12月まで)
- 2026年10月
- ASI(Autonomous Solutions)
- 米国
- 2億2500万ドル
- ソフトバンクの合弁資金(報道)
- 2026年9月
- Built Robotics
- 米国
- 9700万ドル
- シリーズB3300万ドル、シリーズC6400万ドル
- 2019年、2022年
MEKAWIREデータベースに保存した一次情報の開示数値。換算や推計はしていない。
2026年10月26日時点
日本の建機メーカーにとっても、国が機械本体ではなく検証用の仮想基盤に資金を出す韓国の手法は参考になる。韓国国土交通部は20日に建設ロボット革新フォーラムを立ち上げ、現場ロボットの法的基盤を整えると表明した。検証済みのデジタルツインは、こうした制度が求める根拠資料になり得る。残る焦点は、この基盤が協会を通じて中小の建機メーカーにも開かれるのか、HD現代の自社機専用にとどまるのかだ。
- AI無人自律ショベル向け高精度シミュレーション型デジタルツイン基盤(産業通商部)
- 総額63億3000万ウォン
- 2029年12月まで
- HD現代サイトソリューション、シムジ、韓国建設機械研究院、韓国生産技術研究院、韓国建設機械産業協会
- 油圧ショベル、ホイールローダー、アーティキュレートダンプ
- シミュレーション用部品DBの標準要求仕様、現場検証、運用シナリオ評価
- HD現代プレスリリース、2026年10月25日
