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ユニツリーとはどんな会社か 売上17億元の半分をヒューマノイドが稼ぐ脚式ロボット企業

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ユニツリーとはどんな会社か 売上17億元の半分をヒューマノイドが稼ぐ脚式ロボット企業 (イラスト:MEKAWIRE)

ユニツリー(宇樹科技)は中国杭州の脚式ロボット企業で、2025年の売上高は17.0億元、2025年1〜9月の主力事業の売上総利益率は59.45%、同年のヒューマノイド出荷は5500台を超えた。2026年8月19日に上海証券取引所の科創板に上場し、公開価格ベースの企業価値は約610億元。

売上の51.53%がヒューマノイドだが、その73.60%は研究と教育向けだ。目論見書と上場公告からMEKAWIREが経営層向けに要約した。

ユニツリー(宇樹科技)は杭州で脚式ロボットを設計し販売する企業だ。ロボット犬で名を上げたが、2025年からはヒューマノイドの売上が四足ロボットを上回る。経営層向けに要約すると、2025年の売上高17.0億元、2025年1〜9月の主力事業の売上総利益率59.45%、2025年のヒューマノイド出荷5500台超、そして2026年8月19日の上海証券取引所科創板への上場と、公開価格ベースで約610億元の企業価値である。資金調達や製品、開示はMEKAWIREの企業ページ[ユニツリー](/companies/unitree)で確認できる。

本稿は「ユニツリーを経営層向けに要約してほしい」という読者の依頼に答えるもので、根拠は同社の科創板目論見書、上場公告、自社の製品ページに限り、比較の数値はMEKAWIREのデータベースによる。詳しい沿革は10月の[企業分析](/news/unitree-robotics-company-profile-quadrupeds-humanoids-ipo-20261002)にある。

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売上は1年で4倍、2026年は利益が足踏み

ユニツリーの主要財務
  • 売上高(百万元)
    2023
    159.13
    2024
    392.37
    2025
    1699.27
    2026年上期
    1152.25
  • 売上成長率(%)
    2023
    データなし
    2024
    146.6
    2025
    333.1
    2026年上期
    48.54
  • 親会社株主帰属純利益、非経常損益控除前後の低い方(百万元)
    2023
    -18.02
    2024
    77.5
    2025
    278.21
    2026年上期
    243.93
  • 主力事業の売上総利益率(%)
    2023
    44.22
    2024
    56.41
    2025
    59.45
    2026年上期
    データなし

出所:ユニツリー上場公告(2026年8月18日)、科創板申請目論見書(2026年3月)。2025年の売上総利益率は1〜9月の値。成長率は当年売上を前年売上で割って1を引いた値、2026年上期は開示値。2025年の利益には株式報酬費用3億4910万元を含む。開示値であり推計ではない。

2026年10月22日時点

売上高は2023年の1億5913万元から2024年に3億9237万元、2025年に16億9927万元へ増えた。上場公告をもとにしたMEKAWIREの計算で、直近1年の伸びは333%だ。2026年上期の売上高は11億5225万元で前年同期比48.54%増となり、すでに2025年通期の68%に達した。利益は追いついていない。同社は上期の非経常損益を除く純利益が19.34%減ったと開示した。2025年の利益には3億4910万元の株式報酬費用が含まれ、見かけの利益は事業の実力を下回る。では売上はどこから来ているのか。

ヒューマノイドが四足を逆転、買い手の大半は研究室

王興興氏が2016年8月26日に創業し、現在も董事長を務める。Go2などの四足ロボットとIP67対応の産業用B2で知られ、モーターや制御器などの基幹部品を内製する。2025年1〜9月のヒューマノイド売上は5億9519万元で主力事業売上の51.53%を占め、2024年の27.60%から大きく伸びた。四足ロボットは42.25%、部品は5.76%に下がった。

買い手は工場ではない。目論見書によると、同期間のヒューマノイド売上の73.60%が研究と教育の顧客、9.01%が産業顧客だった。価格が理由を物語る。公式サイトの表示価格はG1が1万3500ドル、身長182センチのH2が2万9900ドルからで、大学の研究室や競技チームが決裁できる水準だ。他社との価格比較は[ヒューマノイド価格の解説](/news/how-much-does-a-humanoid-robot-cost-2026-prices-unitree-r1-g1-h2-1x-neo-ff-nova-figure-agility-explained-20261016)にまとめた。

売上総利益率は2023年の44.22%から2024年に56.41%、2025年1〜9月に59.45%へ上がった。ハードウエア企業がソフトウエアに近い利益率を上げていることになり、競合との比較に関心が向く。

上場する中国同業のほぼ2倍の評価

ユニツリーと上場同業、ヒューマノイド数量開示の比較
  • ユニツリー
    状態
    上海科創板688836
    ユニツリー公開価格ベースのPSR(倍)
    35.89
    数量または売上の開示
    2025年にヒューマノイド5500台超出荷
  • UBTech
    状態
    香港9880
    ユニツリー公開価格ベースのPSR(倍)
    19.37
    数量または売上の開示
    2025年に大型ヒューマノイド1079台販売
  • Dobot
    状態
    香港上場
    ユニツリー公開価格ベースのPSR(倍)
    20.12
    数量または売上の開示
    データなし
  • AgiBot
    状態
    非上場
    ユニツリー公開価格ベースのPSR(倍)
    データなし
    数量または売上の開示
    2026年3月30日に累計1万台目を生産
  • アジリティロボティクス
    状態
    SPAC合併手続き中
    ユニツリー公開価格ベースのPSR(倍)
    データなし
    数量または売上の開示
    2025年売上180万ドル(S-4)

PSRはユニツリー上場公告(2026年8月18日)記載の値(公開価格ベースの企業価値を2025年売上高で割った値)。数量は出荷、販売、生産など定義が異なり一対一で比較できない。MEKAWIREデータベース、開示値のみ。

2026年10月22日時点

ユニツリーは上場公告で、上場済みの中国ロボット企業2社と自社の評価を比べている。公開価格150.80元で2025年売上高の35.89倍となり、UBTech(19.37倍)とDobot(20.12倍)を大きく上回った。利益に対しては219.23倍で、業種平均の38.56倍を大幅に超える。数量も同じ方向を示す。UBTechは2025年に大型ヒューマノイドを1079台販売し、国際ロボット連盟(IFR)は同年の世界販売を約7000台と集計した。ユニツリーの5500台には身長132センチのG1など小型機が含まれ、単純比較はできない。AgiBotは2026年3月30日に累計1万台目を生産したと発表したが、年間販売ではなく累計生産の数字だ。

日本企業にとっての意味は大きい。MEKAWIREが確認した開示の範囲では、日本で量産と黒字を同時に示すヒューマノイド企業はまだない。ハーモニックドライブシステムズやナブテスコなど減速機メーカーにとって、基幹部品を内製する最大手の存在は商機と制約の両面を持つ。

MEKAWIRE分析

ユニツリーは手頃な研究用機体を売ることでヒューマノイドの数量と利益率で先行している。610億元の公開価格ベースの評価は、同じコスト構造で競合が追いつく前に産業用途を取れるかへの賭けだ。

根拠はコスト構造にある。MEKAWIREのデータベースで、60%近い売上総利益率と年数千台の出荷を同時に開示しているヒューマノイド企業は他にない。公開価格ベースの企業価値609億9000万元は、2025年6月のシリーズC後の評価額127億元の4.8倍で(公開価格ベースの企業価値をシリーズC後評価額で割ったMEKAWIREの計算)、約14カ月での上昇だ。調達総額61.0億元は2025年売上高の3.6倍で、追加増資なしで数年分の開発費を賄える。

最も強い反論は顧客構成だ。研究室や学校は足掛かりだが上限がある。2026年上期の利益減少は、価格競争か費用増がすでに表れている兆しといえる。開示期間の産業顧客比率はヒューマノイド売上の9.01%にとどまる。

強気シナリオは、産業向けの試験導入が継続受注に変わり、ユニツリーが起草に加わった国家標準6本が自社の設計に有利に働き、ヒューマノイド売上が上期の48.54%を上回る速さで伸びる場合だ。弱気シナリオは、研究需要が飽和し、AgiBotやUBTechが価格で攻勢をかけ、利益率がハードウエアの標準に下がる場合で、219倍のPERは支えを失う。

見方を変える条件は明確だ。2026年の年次報告で産業顧客比率がヒューマノイド売上の25%を超えれば産業化の論理は具体化し、売上総利益率が50%を割れば弱まる。

物語を試す三つの日付

科創板の規則で2026年10月31日までに出る第3四半期報告は、上期の利益減少が続いたかを示す。ユニツリーが全ての起草者名簿に入った中国初のヒューマノイド国家標準6本は2027年4月1日に施行される([関連記事](/news/china-first-humanoid-robot-national-standards-gb-t-48317-unitree-ubtech-xiaomi-drafted-all-six-20261019))。2027年4月30日までに出る2026年の年次報告は研究と産業の顧客比率を更新する。610億元が研究機器メーカーの値段だったのか、業界の次のプラットフォームの値段だったのかを決める数字だ。

このニュースは好材料か、悪材料か

 

要点
会社
2016年8月26日杭州で設立、創業者兼董事長は王興興氏
2025年売上高
16億9927万元、333%増
2026年上期
売上高11億5225万元(48.54%増)、非経常損益控除後純利益19.34%減
売上総利益率
59.45%(2025年1〜9月)、2023年は44.22%
ヒューマノイド売上比率
51.53%(2025年1〜9月)、2024年は27.60%
ヒューマノイドの顧客
研究と教育73.60%、産業9.01%
上場
2026年8月19日、科創板688836、公開価格150.80元、調達総額61.0億元
公開価格ベースの評価
約610億元、PER219.23倍、PSR35.89倍
出典
MEKAWIRE インテリジェンス
  1. 01

    なぜ重要か

    ユニツリーは売上、利益率、出荷台数、顧客構成をまとめて開示する唯一のヒューマノイド企業で、中国内外の評価の基準になった。日本でヒューマノイド関連の投資判断をする際も、事実上この開示が物差しになる。

    開示は業界でまれな黒字体質を示す一方、需要が研究と教育に依存していることも明らかにした。投資の論理は顧客構成が産業へ移るかにかかる。

  2. 02

    競合分析

    最も近い上場同業のUBTechは2025年に大型ヒューマノイドを1079台、2026年上期に921台販売し、ユニツリーの比較表ではPSR19.37倍だった。自動車工場での試験導入を前面に出す。非上場のAgiBotは累計生産1万台超を公表し、データ収集と教育市場で正面から競う。

    日本勢で量産と売上を開示するヒューマノイド企業はまだない。米国のFigure AIは2025年9月に評価額390億ドルで資金を調達したが売上は開示していない。

  3. 03

    企業価値の背景

    公開価格150.80元でユニツリーの企業価値は約609億9000万元、2025年売上高の35.89倍、利益の219.23倍だった。UBTechのPSR19.37倍、Dobotの20.12倍、業種PER38.56倍と比べて高い。2025年6月のシリーズC後評価額127億元からは4.8倍だ。

    MEKAWIREは終値を確認していないため、現在の時価総額は記載しない。

  4. 04

    サプライチェーンへの影響

    ユニツリーはモーターや制御器などの基幹部品を内製し、外部にも販売する(2025年1〜9月の主力事業売上の5.76%)。垂直統合が60%近い利益率を支える。

    弱点は演算用半導体と一部センサーで、読んだ開示では輸入依存度が数値化されていない。精密減速機やセンサーを手がける日本の部品メーカーにとっては、内製比率の高い顧客への参入は容易ではない。

  5. 05

    今後の注目点

    2026年10月31日までの第3四半期報告:非経常損益控除後利益の減少が続くか。

    2027年4月1日のヒューマノイド国家標準施行:調達で標準適合が求められ始めるか。

    2027年4月30日までの2026年年次報告:ヒューマノイド売上に占める産業顧客比率と通期の売上総利益率。

  6. 06

    アナリストの見方

    論点:ユニツリーの評価は、黒字の研究用ロボット事業を産業用に転換できるかで決まる。確信度:中。過年度の開示は詳細で監査済みだが、産業向け受注残や2026年の出荷台数はまだ開示されていない。

    見方を変える条件:2026年年次報告で産業顧客比率25%超(前向き)、売上総利益率50%未満(後ろ向き)。

  7. 07

    問うべき論点

    2026年上期のヒューマノイド出荷台数と産業顧客の比率はどれだけか。

    2026年上期の非経常損益控除後純利益19.34%減の主因は価格、研究開発費、製品構成のどれか。

    上場で得た資金をヒューマノイド開発、生産能力、部品事業にどう配分するのか。