人型ロボ2台の協調遠隔操作実験、32人全員が指先振動を支持も作業時間は縮まらず(ジョージア工科大)
米ジョージア工科大の研究チームはプレプリントで、2人がそれぞれ人型ロボットを遠隔操作して箱を一緒に持ち上げ裏返す16組の実験で、32人全員が音より指先の振動による合図を高く評価したが、完了時間や失敗、作業負荷は映像のみの条件と差が検出されなかったと報告した。むしろ習熟の影響が大きく、難しい裏返し作業は1ブロックごとに約19%速くなった。
人型ロボットの指先の接触を振動や音で操作者に返すと、2人が2台のロボットで1つの物体を協調して扱う助けになるか。
2人で物を運ぶ時は物体を通じて相手の動きを感じる。ヘッドセットで人型ロボットを操る2人は立体映像しか見えず、ロボットが物に触れたか離れたかを感じられない。
ヘッドセット型の人型ロボット遠隔操作は1人用で接触フィードバックがないものが中心で、著者が把握する最も近い2人用XRシステムも接触フィードバックと組単位の評価を欠いていた。
XRTはロボットの指と手のひらの触覚スキンの信号を、操作者の指への振動とQuest 3の開放型スピーカーからの立体音に変換する。ひざをつき胴体を固定した2台の人型ロボットで、箱の裏返しと戻しを4条件で順序を入れ替えて実施し、合図の送達を記録して検証した。
32人全員が振動を音より上位に置き、18人が最も効果的とした。合図の意味の分かりやすさ(6.44対3.03)と指の特定(7.47対4.19)でも振動が大きく上回った。送達は256回中256回一致し、合図は2万2182回。完了時間、失敗、NASA-TLX負荷、不快感、相手の把握に条件差は検出されず、成功は128回中120回だった。検出可能な最小効果は約45%で、それより小さい効果は判断できない。組内の試行ごとのばらつき(1.51倍)が最大の条件差(1.16倍)を上回った。
45%未満の効果を見分ける検出力がなく、32人中27人が遠隔操作の初心者で、VR酔いが慣熟を制限した。実験中にロボットハンドの性能が落ち、触覚スキンが手の甲や手首を覆わないため接触時間の29%は合図が出なかった。ロボットは歩行もバランス制御もしていない。プレプリントである。
人型ロボット各社は遠隔操作で学習データを集め、初期導入も遠隔操作に頼る。操作者が触覚フィードバックを好んでも作業が速く安全になるとは限らず、短い試験では習熟効果がインターフェースの効果を覆い隠すという警告だ。遠隔操作によるデータ収集を進める日本企業にも、作業単位での検証が求められる。
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